IAS16_Day 1

IA Summit 2016初日のレポート。基調講演を含め合計7つのセッション+ポスターセッションに参加した。例によって速報なので、写真やプレゼンテーションへのリンクは帰国後に。ちなみに今年は全セッションのビデオが後日公開されるとのこと。また、リアルタイムでの文字起こしも行われ、以下のリンクから参照することができる。
金曜のスケジュール
リアルタイムでのキャプション

基調講演 / Lisa Welchman

Rosenfeld MediaからManaging Chaosを出版したLisa Welchmanによる基調講演。社会にdiversity(多様性)とinclusivity(非排他性)とをもっともたらすためにはどうすべきか、についてを語った。基本的にinclusivityは意図的(intentional)でなければ実現できず、その意図がコミュニティ多様性と非排他性とをもたらす、というストーリー。個人的に、我々は組織やコミュニティの課題に解決策(solution)を求めてしまい、デザインしようとしていない、という主張が腑に落ちた。Do more by doing lessが実施のスローガン。

Place in Space / Stephen P. Anderson

ベテランスピーカーであるStephen Andersonが、数年前にポスターセッションにて提示したコンセプトを発展させたプレゼンテーション。情報をわかりやすく提示する=理解者に適切なメンタルモデルを提示するためにどのように表現を構成すべきかを語った。具体的には、いわゆるインフォグラフィックを構成するための要因として、
  1. Visual Encoding(表現要素)
  2. Spatial Positioning(空間的な配置)
  3. Spatial Properties(空間表現)
の3つの要因を挙げ、これらの要因について解説し、さらにこれらの要素で作られたビジュアルを”deconstruction”することができると語った。
いわゆる、ノンデザイナー向けのデザインレクチャー的なものでもあるが、書籍も出版予定とのことで、インフォグラフィックのひとつの入門書として期待ができる。地図上のマーカーなどのObjectsと地図そのものとしてのSubstrate(基層)と表現しているのが面白かった。
関係ないが、Stephen、ちょっと心配な感じに痩せてた。

Constructing Meaning Is Bloody Work: Make Everyone a Winner in the Taxonomy Wars / Wendy Stengel

Content StrategistでもあるStengel氏による、サイト内での分類を巡る争いと対処について。彼女によれば、「すべての分類は政治的(All taxonomies are political)」であるというところから始まった。そして、そこに対するものとしては、いわゆるFolksonomy(ユーザーのタグによる分類)が挙げられるとし、「フォークソノミーにもとづく分類(Folksonomy-guided Taxonomy)」による事例を紹介した。組織内で、分類の結果を統合したり廃止したりする、「分類の数を減らす」行為の難しさを説き、「分類を統治せよ(Govern your taxonomy)」と締めくくった。

The IA of Introspection / Robin Weis

自身の、パートナーとのメッセージのやりとりの中での「謝罪」をカウントし、それがどういう文脈に基づいているか、真意なのかどうか、について統計的に分析を行った異色のプレゼンテーション。文脈的にはライフロギングの分析であるが、利用者の状況にあわせて適切なコンテンツやメッセージを提示することを身上としたIAにおいては、こういった「言っていることと本当に思っていることとのギャップ」については、理論面と実装面の両方からアプローチが進むと思われる。ちなみにポスターセッションでも「絵文字の、本来とは違う意味を持たせた用法の統計的分析」があり、このテーマへの関心の高さを伺わせた。

The Ethics and Politics of Information Architecture – Shaping Society Through Structure and Control / Andrea Resmini

昨日のワークショップでもお世話になったAndreaによるこれからの時代のEthics(倫理)について。ちょうど今年のWorld IA DayでもIAの倫理と責任をテーマとしていたこともあり興味深く話を聞いた。Andreaの趣旨としては、これまでの情報技術と情報哲学の歴史を振り返った上で現代をpost digitalの時代と定義し、ここでの自己認識がもっとも重要になるという論が展開された。
古典
現代
パラダイム
デジタル
肉体を離れた(disembodied)
ポストモダニズム
ポストデジタル
肉体化(embodied)
デジモダニズム(degimodernism)
理論
図書館科学
情報科学
グラフィックデザイン
システム思考
認知科学
建築(architecture)
実践
ウェブサイト
ソフトウェアアプリ
クロスチャネル
エクスペリエンス
さらにこれらの時代の倫理を考えるにあたって、以下の提言を行った。
  • アーキテクチャを明確にする(make the architecture explicit)
  • プロセスを可視化する(make the process visible)
  • 関与を可能にする(make them actionable)

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