HCD-Netサロン|もの作りとしてのWebデザイン

日がたってしまったが、去る8/7、HCD-Netサロン「もの作りとしてのWebデザイン」が開催された。

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この会は、人間中心設計推進機構(HCD-Net)主催で、Webデザイン業界を対象に開催した。

会の趣旨としては、

  • HCDの概念はWebデザインを実践している人には理解されているのか
  • そしてHCDの手法やプロセスは果たしてWebデザインにおいて有効なのか
  • これまでデザインを手がけられてきたみなさんはどういったやり方でデザインを行ってきたのか
  • 仕事としてデザインを行うとき、そういったプロセスを適用することは現実的なのか
  • 誰がその部分を請け負うべきなのか

といった素朴な疑問を、AXISの宮崎さん、IMGSRCの小泉さん、千葉工大の山崎さんにぶつけてみよう、というもの。

Webデザインというデザイン領域の中で、どういった形でHCDが認識されているのかを確認する意図もあった。

会では、お三方にこれまでのプロジェクトや事例などを通して、「デザイン」の思考過程の中で「HCD的なもの」がどのように適用されてきたのか、それらは誰がやっているのか、といったことを紹介してもらった。

HCD-Netサロン|プレゼンテーションのメモ

話されたトピックをまとめると、みもふたもない言い方になるが、「優れたデザイナは暗黙のうちにHCDプロセスは実施している」ということになる。

当然というか、やはりというか、デザインには、対象の観察、ブレインストーミングによるアイデア出し、プロトタイピング、そしてその反復、がともなっている。それをHCDと呼ぶか、例のプロセス図を用いるかはまた別の話として、そういった取り組み以外にはやはり試行錯誤のしようもない。

では、あえて「HCDプロセス」、そしてその各フェーズでのタスクを勉強したりする意味はなんなのか、というと、コミュニケーションのため、ということが挙げられた。

ここでいうコミュニケーションとは、チーム内、およびクライアントとのコミュニケーションを指す。

クライアントとのコミュニケーションにおいては、デザインを行う際に必要な手続きを理解してもらう(そして予算を用意してもらう)ため、ということになる。

チーム内のコミュニケーションでは、専門化が進んだWebデザインプロジェクトにおいて、統一したビジョンを持つため、あるいは共同作業を行うためにプロセスや各フェーズでのタスクの明示化が必要、ということになる。

まあ、拍子抜けするくらい当たり前な話なのだが、逆に言えば、一人で作り込む、というときには、あえてこういったプロセスだのなんだのと偉そうに言わなくとも、自分が思うように進めればよい、とも言える。
(個人的には、プロセスを用いた方が気をつけるところとプロセスに頼ってよいところとが明確になって楽なので、ある程度プロセス化は勝手にするタイプ)

また、別の見方になるが、たとえばイメソではプロジェクトに応じて、必要なタスクやプランは毎回ゼロから考えるとのことだった。

これはうちもそうで、プロジェクトのひな形がないので新規参入者は困っちゃったりもするのだが、プロジェクトのほうが不定形なのである程度いたしかたがない。

こういった場合には、概念的でもプロセスの全体像や、場合に応じた手法などを引き出しとして用意しておくにこしたことはない。

といったような話がだいぶクリアになった。

なんか安藤くんあたりに「なにが問題なのかわからない」と突っ込まれそうな話になってしまったが、こういった課題を持つに至るようになった背景というものも見えてきたので、それはまた別の機会に書こうかと思う。

HCD-Netサロン|もの作りとしてのWebデザイン」への2件のフィードバック

  1. yuu

    提起にいたる以前で話が終わってしまった感じでけっこう物足りなかったですが。プレゼンメインじゃなくてディスカッションメインにしてほしかったです。今後同様企画のある場合にご検討くださいまし。

  2. Atsushi 投稿作成者

    すみません、時間配分的に前半が重くなりすぎてしまいました。が、なかなか興味深いエピソードも多く聞けたと思っています。

    今後どういう企画につなげていこうか検討中です。

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