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連塾 JAPAN DEEP 3

去る5/30に開催された、松岡正剛氏による、連塾 JAPAN DEEP 3に参加。

連塾3

RSWが生みの親である西のTEDと、RSWを日本に紹介した人でもある松岡正剛氏の東の連塾をまとめて受けると、情報量もさることながら好対照ぶりに思うことも多い1週間だった。

ちなみにそれといっしょに、高松で講演したり、札幌でイベントを主催したり、進行中のプロジェクトしたりもあったから、わりと体もしんどい。

さて、今回の連塾だが、松岡さんが萩尾望都氏、松本健一氏、横尾忠則氏がそれぞれ2時間づつの対談をする、という、考えただけで濃いイベントだが、実際内容はかなり濃かった。

それぞれ立ち位置も違う人との対談なので、もう会話の位相が全然ちがっていて、聞いているこちらの頭のモードも90度づつ切り替えながら聞く感じだったので、むしろあんまり頭が馴化されなく、疲れた感じはなかった(少なくともその場では)。

萩尾望都氏、横尾氏の話は、それぞれの作品の裏側と遍歴、おもいのたけを存分に楽しめた。ここまで語らせてしまう松岡さんはやはりすごい、と思わせる。

で、ただ、個人的に頭を揺さぶられたのは松本健一氏との対談。

正直氏の著作は読んだことはなくて、著作の評論とかを読んで(若干偏った)印象を持っていたのだが、すべて払拭され、今年一番の開眼させられたイベントとなった。

話は、松本氏のライフワークとも言える(?)、北一輝研究を題材にしながら、開国から明治〜大正〜昭和の天皇制に対しての当時の人々のピュアな感覚と、「天皇現人神」というシステム(機関)とを導入するに至った思惑とを解体する議論となった。

と書くと、単純化しすぎだが、この話こそまさに、これだけの時間をかけてストーリーを共有しないと得られない理解、と言えるものだった。

おそらくこの回の連塾も書籍化されると思うので、ぜひ読んでもらいたい。

この対談から得た教訓は、知識人に対しての右翼とか左翼とかの安易なレッテルは、その人に対してのこちらがわの思考放棄なのだな、という自戒の念。

と、それはさておき、TEDにしても連塾にしても、個人的にはせっかくこの時代に生きているのに、なんでみんな興味を持たないのかが不思議。